高校1年生・白石純太には、誰にも真似できない性質があった。隣にいても気付かれない、毎日出席していても欠席だと誤解される——。彼は、存在感ゼロの”モブ”男子だったのだ。それでも彼なりに慎ましく学園生活を送っていたのだが、ちょっぴり厄介なことが一つだけ。なんと同じクラスの”ヒロイン級”美少女・久保さんだけが、彼を見つけてはちょっかいを出してくるのだ。特別になれない”モブ”男子と、彼の前に現れた”ヒロイン”女子。教室の隅から、青春は緩やかに色づき始めて——。誰だって、誰かの”特別”になれる。でもその感情に”恋”と名が付くには、まだ二人は少しだけ幼い。”ラブコメディ”の2歩手前、ヒロイン女子×モブ男子の思春期スイートコメディが幕を開ける。